インタビュー
9月特集【前編】『世界を股にかける手数王』菅沼孝三氏インタビュー
小さな頃から天才ドラム少年として活躍し、15歳でプロデビュー。CHAGE&ASKAのレギュラードラマーを勤めた経験も。そして現在、その活動の幅は日本にとどまらず、世界でも数多くのミュージシャンと共演している。
そのテクニックから生み出される高速プレイや変則プレイから、ついた異名は『手数王』。
今回は、手数王・菅沼孝三が真正面から向き合い、また愛し続ける『ドラム』の魅力、
そして今後の展望などをうかがった。
『ドラムの達人!手数王式60日短期集中ドラムメソッド』

──8歳でドラムをはじめたということですが、なぜドラムに興味を持ったのですか?
僕が子供の頃はGS(グループサウンズ)ブームで、テンプターズとかタイガースとか、テレビをつけるとみんなよく出ていたんですね。ビートルズの影響か、歌謡番組がやたら多くて、そこで必ず16人編成とかのビックバンドが入っていたんですよ。で、そのときに、後ろのひな壇みたいなところの一番目立つ場所にドラムがあって、『これおいしいなって』(笑)
そう思っていた矢先に、質屋さんのショーウインドウに中古のドラムが出たんですよ。当時1万5千円して、そんなに安いものじゃなかったですが、うちの母が買ってくれたんですね。自宅にはピアノもエレクトーンもあって、楽器や音楽には寛容だったので、そのときに手に入れてドラムをはじめたんですよ。
──プロのドラマーとしてデビューされたのが15歳のときでしたが、最初のお仕事はどういったものでしたか?
プロデビューと言ってしまえばカッコいいですが、初めてもらったのはブライダルの仕事でしたね。結婚式で、エレクトーンのおっちゃんと、ギターとドラムの編成でやりました。その当時は全然子供だったから緊張もしなかったですよ。小さい頃からテレビとかも出ていたんで、むしろ人前でやるのは楽しかったですね。まだ怖さを知らない頃です(笑)
──ドラムをはじめた当時は、どういった方法で練習していたのですか?
最初は近所の兄ちゃんから習ったりしていたんですけど、独学は1~2ヶ月しかやってないですね。やっていてすぐに限界を感じました。『これは習わんと駄目だな』って。それで、よく理解するためにちゃんとした先生に習おうということで、大阪の京橋にあるカワセスクールという河瀬先生のドラムスクールがあって。そこの門を叩いて、基本を習いました。
──なるほど、『手数王』菅沼孝三のルーツが垣間見えた気がする。さらに、現在はプロとしてスタジオワーク・コンサートツアー・セッション・教室・などの数々のお仕事をこなしている菅沼さんに『一番好きなお仕事』を聞いてみた。
一番好きな仕事は自分のグループ(FRAGILE)でライブすることですかね。ライブは『生き物』で、全国各地で行うたびに反応が違うんです。
まあ演奏もアドリブでやったり、毎回違っているんですが、お客さんと同じ空間の中で、伝わるときと伝わらないときがあるんですよ。僕はそういうやり取りが好きなんです。
あと、海外でもライブをやるんですが、音楽は共通語だと思っているんです。まったく言葉がわからない国でも飛び入りしてやっちゃったりするんですよ。インドネシアやタイのライブハウスに行って、全然知らない奴らとJAMセッションしたりね。アジアだと結構僕のこと知ってくれている人がいて、
『あっあいつ来よった』みたいな感じで見られます(笑)
どんなジャンルでも飛び入りして叩くんですよ。そしたらもうホントに通じ合えますよね。中国とか、英語さえ通じないところもあるじゃないですか?でも楽器をみんなで演奏したらそれが対話になるんです。
──ドラムを叩いているとき、何か考えたりしていますか?
ケースバイケースですね。人間、無になるのは無理ですから。自然体で考えているときは演奏が一体となっているので、そういう時は特に余計なことは考えていないですね。逆に余計なことを考えているときもあって、『打ち上げどこに行こうかな』とか(笑)でも、ギリギリの難しい曲をやっているときは、それを考えられないぐらい曲に集中していますよ。
──菅沼さんが考えるドラムの楽しみ方とは何ですか?
一般的には、バンドを組んでやるのが一番楽しいですよね。でも、そこにギターやベースがいるかっていったら、なかなかメンバーが見つからないことが多いと思います。そんな時はCDをかけて好きな曲に合わせて叩いたり、音楽の中に混ざってやってみるとか、他の楽器と合わせることで楽しめると思いますよ。
あとは、人前でやるというのも良いですね。いろんな生徒さんがいて、『俺は人前ではやらない』っていう人もいるんですが、その人は部屋でCDをかけて叩いているって言っていました。全員が全員プロを目指しているわけじゃないので、自分なりの楽しみ方を見つけられれば良いと思います。初心者の方などは、教材通りに習うと好きな曲ができないことが多いので、今流行っている曲を叩いたほうが楽しいですよ。エレドラ(電子ドラム)のバーチャルセッション機能みたいのもありますしね。
──菅沼さんは多忙な毎日を送られていますが、休みが取れたら行ってみたい場所などはありますか?
う~ん、なかなか休めないんですよねえ。休みのときも原稿を書いているので...でも、最近は『ディジュリドゥ』にハマっていて、ホーミーもやるんで、オーストラリア旅行とモンゴル旅行かな。まあ、たぶん行けないでしょうけど(笑)
これはもう性分なんですかね、休まないんですよ。正月からドラムを叩いちゃうし。叩かない日はあんまり無いですね。友達がスタジオに来て仕事抜きで遊ぶんで、誰かが来たらJAMセッションしています。逆に、2日とか叩くのが空いちゃうと焦っちゃいますね。ひょっとしたらもう叩けなくなってるんじゃないかって(笑)
──今ハマっているというディジュリドゥはどんなきっかけで始めたのですか?
引っ越し祝いにもらって、それから少しずつやるようになりました。まあそれでもハマるって程ではなかったんですが、ある日うちにジャンベを習いに来たやつがジャンベと一緒にやりたいということで吹いてもらったらメチャクチャ巧くて、『これはアカン、おいしい所を全部もっていかれる』と(笑)それから勉強して、自分の弟子と勝負したりしました(笑)
で、そこから興味が出てきて『アボリジニってどんな風に吹いているんだろう』って、コンテンポラリーからトラッドに興味が移っていって、アボリジニが来るたびに習いに行ったり、オーストラリアに入り浸っているやつのところに行ったりして、現地に近い奏法みたいのを習いましたね。
※ディジュリドゥ
シロアリに食われて筒状になったユーカリの木から作られる「世界最古の管楽器」ともいわれているオーストラリア大陸の先住民族アボリジニが1000年以上前に作ったとされる楽器。
【後編】は9月15日公開!
「菅沼孝三ドラム道場」の特徴や教え方、ドラムの上達法、6月に発売された
『ドラムの達人!手数王式60日短期集中ドラムメソッド』についてお聞きします!
菅沼孝三(すがぬま こうぞう)
大阪で生まれ8才でドラムを始める。
15才でプロデビュー後、数多くのスタジオワーク、
コンサートツアー、セッションに参加する。
自己のドラムスクール「菅沼孝三ドラム道場」を全国6カ所にて主宰。
【菅沼氏関連商品】
『ドラムの達人!手数王式60日短期集中ドラムメソッド』
【お知らせ】
まだまだ進化は止まらない。FRAGILE約3年振り記念すべき10thアルバムリリース!
FRAGILE約3年振りのアルバム『The Sun and the Melodies』リリース決定!
アルバムとしては通算10枚目の記念すべきタイトル(2006年にDVD『modest&proud』発売)前回のアルバム(2006年『Phantom』
)から考え方や音の構築の仕方も一歩先に進んだ、と話すメンバー、さすがは長年のバンドFRAGILE、まだまだ進化は止まらない。オリジナル全10曲ハード・プログレッシブでありながらカラフルでユニークなアルバムに仕上がった。
FRAGILE最新情報はオフィシャルHPへ⇒http://www.uprize.jp/fragile/



