インタビュー
7月特集【前編】時代を超える、変幻自在の投資術「ナチュラル・ボーン・トレーダー」~斉藤正章インタビュー~
成功する人の割合が極端に少ないとされる株式投資の世界。新しい儲けの手法が出ては消え、出ては消え...さながら弱肉強食の世界といえよう。だが、そんな厳しい株式投資の世界において、たった3年で200万円の投資資金を1億円にまで増やした人物がいる。
斉藤正章──勝率80%を誇る逆張りルールで市場を掌握し、幾多の大暴落を乗り切ってきた投資家だ。今回は、時代に左右されない投資法から自身が主催するシステムトレードアカデミー、そして今後の展望までお話を伺った。

──斉藤さんはシステムトレード(注1)という投資方法で注目を集めていますが、株式投資をはじめた当初からシステムトレードを用いていたのですか?
投資をはじめたばかりの頃はテクニカル分析(注2)やファンダメンタル分析(注3)など、ゴチャ混ぜ状態でしたね。最初からシステムトレードを用いたわけではなく、一般投資家が通るような投資の道を通っていました。
──システムトレードが「いけそうだ」と手応えを感じたのはいつ頃ですか?
システムトレードをはじめたのは半分偶然みたいなものなんです。投資をはじめてから2年後ぐらいだと思うのですが、yahoo!ファイナンスで株価の時系列データを見たときに、インターネットから機械的にデータを取り込むことで面白い分析ができるのではないかなと。ホントにたまたま、ひらめいただけなんです。
──それから株価の分析をするようになったと。
そうですね。実際にいろいろ分析しているうちに、それ自体が楽しくなってしまって(笑)実は当時「システムトレード」という言葉を知らなくて、私がやっていることがシステムトレードだと知ったのは後の話なんです。今思えば安易だったかなとは思っていますが、もしかしたら使えるのではないかという投資のパターンをいくつか発見したのもその時ですね。
──勝てるパターンを見つけるまでに、どれくらいの時間がかかりましたか?
分析をはじめてから2、3ヶ月もしないうちに「これはソコソコいけるんじゃないか」というパターンはいくつか見つけました。まあ、今考えると足りない部分がいくつかありましたが...。
──パターンを見つけてからはトントン拍子?
「結果的に200万円の資金が1億円になりましたが、その当時は株式市場の相場が良かったということに助けられた面もありますね。あの時これで良いと思っていたデータを今もそのまま運用してしまうと危険な面があると思います。今では当時と同じリスクをとることは、まずできないですね。
──確かにシステムトレードは「ある一定期間を過ぎると使えなくなる」という声もあります。
それでも、その手法自体が使えなくなるというパターンに今まで遭遇したことはないですね。たとえば日経225先物取引(注4)などは流動性の高さの割に売買している人が多いので、小さな利益を狙うというパターンが一時的に使えなくなることは確かにあります。ただ、それも全く使えなくなるという訳ではなくて1~2年経ってからまた有用性が戻ることが多いですね。
──斉藤さんの手法は半永久的に使用できるのですか?
全く同じことをやる人が増えない限りは大丈夫かなと思います。ひとつのルールでずっと運用していたとすれば、そのルールが一時的に使えないことはありますし、たまたま機能しないこともあります。ただ、複数のルールを併用することで、すべての運用ルールが駄目になることを防ぎ、トータルで利益を出す。やり方としてはいくつかの運用ルールを併用して、たとえ1個や2個機能しなくても気にしないというスタンスです。
──斉藤さんといえば「逆張りルール(注5)」というものが代名詞にもなっていて、逆張りルールのみで収益を上げているという印象が強いですが...
実際には逆張りルールばかりというわけではないんですよ。むしろ最近では順張り型のルールのほうが多いくらいです。最終的に収益を上げることが目的なので、そのためにいろいろな運用ルールを使っていますね。
※注1【システムトレード】
投資を行う際に裁量を排し、一定売買ルールに従って売買を行う方法。
表計算ソフト(EXCELなど)を用いて検証(バックテスト)することが多い。
※注2【テクニカル分析】
過去に発生した価格の変化から将来の価格の変化を予想・分析しようとする手法のひとつ。
※注3【ファンダメンタルズ分析】
市場予測の根拠を、現実の要因(株価収益率など)に求める手法。
※注4【日経225先物取引】
日経平均株価を原資産とする株価指数先物取引のこと。
東証一部に上場している中でも代表的な225銘柄の株価を指数化したものである。
※注5【逆張りルール】
株価が大きく下落したタイミングで買い付ける手法。
寄り付きのみで売買する非常にシンプルなルール。


