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淫行か、それとも無償の愛か 『愛を読むひと』

2009.06.22[ニュース]

「ナチズムをこれまでとはまったく異なる視点から描いた」
ということで評価され、アカデミー賞5部門にノミネートされた本作品。


『愛を読むひと』1

第二次世界大戦後のドイツ。
15歳のミヒャエルは、自分を助けてくれた二回りも年上のハンナと恋に落ちる。
毎日のように彼女のアパートに通うミヒャエル。
そんなミヒャエルにハンナは本の朗読を頼むようになるが、
ある日彼女は突然、ミヒャエルの前から姿を消してしまう。

ハンナを忘れられないまま、法科習生としてナチスの裁判を傍聴したミヒャエルの前に
ナチ戦犯としてハンナが現れる......。



思春期の少年が年上の女性に身も心も夢中になってしまう
というのは、よくある話ですね(^^;

『愛を読むひと』2

学校が終わると息せき切ってハンナのアパートに突撃し、
いきなり服を脱いでセックスしまくるミヒャエル少年。
......なんだか発情したサルみたい......。
年上の女性に対する憧れや尊敬というのがイマイチ感じられないんですけど......。


ハンナの方も、まぁ三十代半ばの女盛りなわけですが、
ただ単に、ミヒャエル少年を性欲のはけ口にしているような......。
というか、未成年の男の子にこんなことしちゃっていいんかい!?
こういうの、淫行、っていうんじゃないの??


......とまぁ、前半は納得いかないセックス描写が多いわけですが、
重要な部分は後半にありまして......。


ミヒャエルに本を朗読してもらっていたハンナは実は文盲だった。
そのことをを恥じ、それを愛する人に知られたくないがために
あえて裁判で無実の罪をかぶる。



彼女にとって文盲であることをカミングアウトするのは、
無期懲役を言い渡されるより耐えられないことだったんですね。
前半で、「恋の切なさ」みたいなものがもうちょっと丁寧に描かれていれば、
このへんの微妙な女心がもっと、生きてきたんじゃないかしら?

『愛を読むひと』3

ハンナを演じるのは『タイタニック』のヒロイン役で一躍有名になったケイト・ウィンスレット。
で、このハンナというヒロインのキャスティングなのですが......


1.企画の段階では、ケイト・ウィンスレットにオファーがあった
2.ケイトのスケジュールが合わず、ニコール・キッドマンで撮影開始。
  ところが妊娠によりニコールが降板

3.再びケイトをヒロインに撮影再開


という紆余曲折があったようで。


結果論から言いますと、これはこれで良かったんですよね。
ケイトはこの作品でアカデミー主演女優賞を受賞したわけですから。
クール・ビューティーなニコールに比べると、
どちらかといえばケイトは肉感的だけれど野暮ったい感じなのですが、
でもそれがかえって、女性の愚かしいまでの一途さを表現するのにはピッタリだったと。


原題は『The Reader』(朗読者)。
いよいよ公開です。



(くりやまももこ)


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