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インド映画『スラムドッグ$ミリオネア』でアメリカン・ドリームを
2009.05.10[ニュース]
インドの人って、男はみんなターバン巻いて、女はみんなサリー着て、
ガンジス川で沐浴して、アラーの神にひれ伏して、
カレーを食うのは右手だけ、おしりを拭くのは左手で......。
日本人の多くがインドに対して持っているイメージって
まぁだいたいこういう感じじゃないでしょうか。
かくいう私もそうでした。
だいたい、社会の地理で習ったインド最大の都市・ボンベイがムンバイになっていたことすら、
知らなかったんですから......。
『スラムドッグ$ミリオネア』は、そんな「意外と知られていない」インドのお話。
IT関連、特にソフト分野では世界でもトップクラスの頭脳を持つと言われるこの国ですが、
今もなお、カースト制が根強く残っているんですね。
スラム出身の若者、ジャマールはテレビのクイズ番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、
過去の壮絶な経験から得た知識を生かして、次々と正解を勝ち得ていく。
見事、賞金を獲得するものの、警察に不正を疑われ......。
エンターテイメントとしての要素はすべて備えたこの映画。
でも、ジャマールの回想シーンをなぞっていくうちに、
下層階級の人々の厳しい現実を否が応でも突きつけられるはめになります。
異教徒に虐殺される母、そのシーンを目のあたりにしてしまうサマールとジャマールの兄弟。
同じ境遇で孤児となった美少女ラティカと手に手を取り合って必死で逃げるものの、
結局ははぐれてしまう。
クイズ番組に出て正解を重ねても、
「こんなスラム上がりの、まともに教育も受けていない人間が」
てな感じで、周囲の目はとことん冷たい。
クイズ番組の司会者には陥れられるし、
せっかく勝ち進んで大金を手にしても、
「何かウラがあるんだろう」
と逮捕され、挙げ句の果てには拷問まで受ける。
貧富の差が想像を絶するほど激しいこの国で
貧民層に生まれた者が成り上がっていくなんてことは、到底無理、絶対無理。
それでも、ラストはなぜかハッピーエンド。
再会したラティカをギャングの情婦として売り飛ばした兄のサリームが、
最後は改心して、弟のために自らを犠牲にする。
エンディングで、ラティカを囲んでみんなして踊っちゃうシーンなんて、
まさに超インド的娯楽映画。
......いや、でも、これくらいの救いがないと!!
監督は『トレインスポッティング』を撮ったダニー・ボイル。
近年の作品はいまいちパッとしない、と言われていましたが、
ハリウッド映画のお手本的な本作品で、一発逆転といったところでしょうか。
すでにリピーターも数多いという噂の『スラムドッグ$ミリオネア』。
2009年度のアカデミー賞作品賞を受賞しています。
気になる方は映画館で、ぜひ!!
(くりやまももこ)


